<不安も一緒に歩こう>絵本「よるにおばけと」

大人にこそ読んでほしい絵本

こんにちは、mizuhoです。

今回ご紹介する作品は、みなはむ氏による初の絵本『よるにおばけと』(2022年、ミシマ社)です。

夜、一人の時間、どこからともなく不安な気持ちが覆いかぶさってくる。訳もなく、足元から崩れていきそうな気持になる。そんな方はいないでしょうか?

そんな方におすすめしたい「だいじょうぶ、ここにいるよ」と心に寄り添ってくれる、そんな作品です。

あらすじ

夜風が気持ちいい夜。隣のおばけに誘われて、出かけてみることにした。
はじめての夜の外。知らない場所。荒れる天気。
怖い気持ち、未知への不安、ためらい逃げたくなる気持ちが常にあるけれど、おばけは「だいじょうぶ」と、一緒に歩くのだ。
おばけとの夜の散歩の先にあるものは、なんなのだろうー。

作者について

作者である、みなはむ氏は本作が初の絵本作品。
武蔵野美術大学日本画学科で学びながら、絵画制作や同人活動を精力的に活動され、卒業後は水沢なお氏著の『美しいからだよ』の装丁制作を皮切りに、装画を中心としたイラスト制作の依頼を受けていらっしゃいます。
日本のみならず、フランスでも個展を開いており、グローバルに活躍されている様子。
油彩のタッチで描かれる少年少女と植物を中心に配置したどこにでもある街の風景は、どこかノスタルジックで瑞々しい印象を与えてくれます。
公式HPでも作品を見ることができるので是非チェックしてみてくださいね。
公式HP:https://minami-no-shima.tumblr.com/

不安な気持ちのままだって「だいじょうぶ」

私がこの絵本を読んで一番感じたことは、不安な気持ちは抱えたままでも大丈夫、ということです。

なにか心配事やトラブルがあると、どうしても「解決しなきゃ!」「どうにかしなきゃ!」と心が焦ってしまいます。夜寝るときに、ふと自分が消えてしまいそうな気持ちになって泣きそうになったり、一人で心細くなったり。でも、大人になると、そんなことは人に言えないし、そんな気持ちを抱えている自分がダメなのでは、と悩んでしまうこともありました。
でも、その多くは、悩んだまま生きていくことで、徐々に薄くなっていったように思います。


だからこそ、おばけが不安もためらいも否定せず、ただ「だいじょうぶ」と主人公に言い続けたように、自分に伝えてあげられたら。案外と、それが一番自分がこころを緩めることができる方法なのかもしれません。

不安が足音を立ててそばに寄ってきたら、ぜひ『よるにおばけと』のページを開いてみてください。
おばけが隣にきて、あなたに「だいじょうぶ」と言ってくれるはずですよ。

作品はこちらから↓

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